展示場へ(その1)

2002年某日。

結婚して数ヵ月後、「そのうち家も建てたいよねぇ」という会話をする程度の私たち夫婦は、とにかく住宅展示場にでも足を運んでみようということになった。

しかも、まだまだ家を建てる予定は未定のため、地元の展示場ではなく、ちょっと離れた市の展示場へ行くことにしたのだった。

オットが、まだ建てると決まったわけではないのに、住所など教えて営業マンにしつこくされるのを嫌がったためだ。

自宅から1時間以上かかる展示場へ到着。

どんな会社が入っているのかさえ下調べせずにきたので、とりあえずそれぞれ外観が気に入ったモデルハウスを色々見てまわることに・・・







今考えてみると、まず、この方法がまずかったよなぁと思うのだ。

展示場って確かに素敵なおうちばっかり。

でも、一般庶民がそんな家を本当に建てようとしたらお金がいくらあっても足りなそう。(オプションだらけ)

しかも、キッチンにショットバーのようなカウンターがあったり、玄関がむっちゃくちゃ広ーくとってあったりと、「ありえねー!!」の連続なわけ。

置いてある家具はいかにも高そうなものばかりだし、テーブルの上は「これからホームパーティーですの。オホホ!」と今にもマダムが出てきそうなゴージャスなテーブルコーディネートがされていたりね。

目立ってゴージャスなモデルハウスというのは、あたりまえだけど大きなメーカーで、広告宣伝費に何千万もかけているってことになり、その分お金を支払うのは家を建てる私たちなんだよな・・・。

そりゃ割高なはずだよ。










しかし、当時はまだ若かりし新妻時代。

家の構造や住みやすさになんて目もくれず、ひたすら広ーいリビングや素敵な家具に感動し興奮しっぱなし。

オットもいろいろな扉や引き出しを開いては、「ふーん」という感じの表情をしていた。

もし、今の私がそこに居合わせてたら「オイ!見るとこ違うだろ!目を覚ませ!」と若い2人に言ってあげたいところだ。







そんな中、知識ゼロな私たちがとっても気に入ったモデルハウスは、日本最大手ともいっていいS社(当時は何も知らなかったけど・・・)のおうち。

外観は今流行の南仏風。

外も中も壁はコテ塗りで、天井は高く、ちょっとアンティークチックな家具のセンスもぐぐっときた。

営業マンもナイスミドルな感じのよい人だ。




「いいねー!こんなおうち!!」




と2人のテンションはまさに最高潮なのだった。





しかし、実際にその営業マンの話を聞いたり、パンフレットをもらったりしてみると、S社は主に洋風建築ではなく、和風のどっしりした家が得意そうであった。

とっても洋風なそのモデルハウスも2×4工法ではなく、在来工法とのこと。(外見と工法ってあまり関係ないのね)

しかもそのモデルハウスの坪単価は70〜80万円(!)とか。





「これと同じようには建てられないんだー」





とため息をつく私たち。

今となれば、「モデルハウスなんだから当たり前でしょうが!」と突っ込みたいところだが、無知な私たちは肩を落とすしかなかったのだった。







そんな私たちに、営業マンが

「この家と全く同じというわけではありませんが、こういうプランもありますよ」

と見せてくれたのが、Aという流行の南仏風を少しカジュアルにしたようなプランのパンフレットだった。

見てみると、すごく素敵なわけではないけれど、けっこうイイ感じ。

値段も安いわけではなかったが、どうにか手の届きそうなライン。

とりあえずそのパンフレットを「今日の収穫」として家路につく私たちなのであった。







ところが、家に帰ってホクホクしながらパンフレットを読んでみると、大変なことに気がついた。

私たちが家を建てさせてもらえる予定になっている土地(オットの実家の土地)の形は、南北にかなり長い長方形で、Aの間取りプランの中には当てはまるものがなさそうなのだ。

自由設計にするともっと費用がかかることになるしなぁ。

ちょっと残念だけど、まだ他のメーカーも色々見て決めよう!と今度は思い切って地元の展示場へ出かけてみることに。(その2へ続く)

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