運命の出会い

展示場めぐりは一段落。

さんざん色々なことがあって、やっと私たちは自分たちが欲しい家や求めている住宅メーカーの雰囲気をつかみ始めていた。(遅っ!)






まず、調子のいい営業マンがいるようなところで家は建てたくない。

たとえ素晴らしい内容だったとしても、家を建てるまで、そして建てた後も、長い付き合いになるであろう住宅メーカーの営業マンはできるだけ誠実な人がいい。

当たり前のようなことかもしれないが、モデルハウスをたくさん見て、色々な営業マンに会うと、改めてそう思わずにいられなかった。

倒産寸前だった会社の営業マンに乗せられ、そこで家を建てそうになってしまった経験もあり(参照:「展示場へ」)、

それ以外にも、他社の裏事情やデメリットを「ここだけの話ですがね…」と教えてくれる営業マン。

アポなしで自宅まで訪ねてくる営業マン。

売りたくて必死なのはわかるけど…。

そんな人たちになんとなく引き気味な私たちだった。






「高気密・高断熱」それと「南欧風」は前とそれほど変わらず、具体的には、できれば2×4工法で、外壁は塗り壁、屋根は茶色やオレンジの瓦葺、内壁は壁紙などを使わず、床材はムク材を希望。(1Fだけでも)。

金額的に可能であれば全館空調。

などなど、結局「ここで建てたい!」という住宅メーカーには出会えなかったが、始めはぼや〜っとしていた自分たちの欲しい家が見えてきたという意味では、労力を使った展示場めぐりも色々勉強になったということかな。








さて、展示場めぐりの次は、書店で、県内の住宅メーカーの広告記事がたくさん載った雑誌を見つけ、自分たちのイメージに近い物を探すことにした私たち。

豪華仕様の多い輸入住宅メーカーの中でも、シンプルだけれども明るいリビング、ちょっとしたニッチなど、素敵なおうちの載っているページを発見。

住んでいるところからはちょっと遠いけれど、そのページに載っているJ社のモデルハウスを直接訪ねてみることにした。








大きなT字路のちょうど突き当たりにあるそのモデルハウスは、こじんまりはしているが私たちの思い描いてるおうちの姿にとても近いぞ。

期待は高まる。

が、住宅展示場のモデルハウスのように、たくさんのお客さんがいて、入ると待ち構えていた営業マンが笑顔で「いらっしゃいませ〜!」という雰囲気はない。

お客さんも私たち以外いないようだった。

ちょっとドキドキしつつも、素敵な分厚いドアを開けてみると…。



(しーーん…)「…。」(2人)



「こ、こんにちはぁ…。」(momo)



しばらくして、玄関の目の前の階段から男性が1人降りてきた。

中を一通り見せてもらいながら、その方のお話を聞いていると、なんだかとっても誠実な印象。

こちらからの質問に対しては、専門的なことまできちっと答えてくれるが、それ以上のことは言わないし、とにかく、今まで住宅展示場で出会った営業マンのように「何が何でも買わせたい!」という押せ押せムードがまったく感じられないのだ。

後日わかったことだが、その方が、J社の代表で一級建築士のYさんだった。

ちなみにJ社に営業の社員はいないらしい。






 サッシといい、床材といい、壁材といい、私たちの希望以上のとってもいいものを使っているし、間取りもまったくの自由設計なので、うちのように土地の形が少し変わっていても、ちゃんとおさまるおうちを設計してくださるという。

でも、きっと高いんだろうなぁ…。

金額のことさえ考えなければ、とっても素敵なおうちを建ててくれそうな会社だぞ。

とりあえず、大体の予算と自分たちの希望を伝えて帰路に着く私たち。

1時間弱かかる帰りの車の中でも、



「なんかいい感じだねー。」

「あのキッチン、素敵だったな。うちもマネしたいな。」

「それに、あの人(Yさん)良さそうな人だね。全然しつこくないし。」



と好印象な感想を言い合っていた。









数日後、Yさんから間取りができたという連絡が入り、見せてもらいにまたモデルハウスへ。

今度はYさんが2階へ案内してくれた。

2階は事務所として使っているようで、商談用(?)のテーブルと椅子、普段お仕事をされているであろうデスクなんかが置いてあり、1階の雰囲気とはまた違う感じだ。

本棚には資料に使うのであろう書籍がたくさん並んでいる。

その中には、ヨーロッパの建築やインテリア関係の洋書もたくさんあって、Yさんの研究熱心さとセンスの良さが感じられた。

どうやら今日、ここにはYさんしかいないようだ。テーブルにYさんと向き合って座り、ドキドキわくわくしながらおうちの外観や間取りを見せてもらうと…。



(…いい!!とっても素敵!!)



しかもすべて手書きな上に、絵の具や色鉛筆できれいに彩色までされているではないか。

設計した本人(Yさん)が説明してくれるため、どんな質問にもてきぱきと答えてくださる。







外観はほぼ希望通りの淡いピンクのようなオレンジ色の壁に、スペイン瓦の屋根。

予算の関係でどこまで実現できるかはわからないけれど、外構のデザインまでスケッチされている。

しかもとってもセンスいい!

もちろん間取りも申し分ない。

壁はクロス張りではなく全室珪藻土、床も全部ムク材だし。

水洗金具もおしゃれなものばかり。

(後から知ったが、使っているのはかなり有名なメーカーばかり)

お願いしていたニッチもさりげなく色々なところについている。

このまま建ててもらっちゃってもいいくらいだ。





後から出てきた細かな要望(お風呂はオリジナルではなく、ユニットでよい←広さ重視/1階の和室はなくし、2階にオーディオルームが欲しい/予算の削減を目指し、外観をもう少しシンプルに等)を伝えて、もう一度間取りを作っていただくことを約束して、その日はおしまい。





それにしても、素敵なおうちになりそうだ。

自分たちの要望以上のものを提案していただいたし、おうちもYさんの人柄もとっても気に入ってしまった。

家に帰ってからも興奮冷めやらぬ私たちは、間取りの紙を開いてはあーでもない、こーでもないと話が尽きないのだった。

予算的にも、外構をあきらめてきっちりローンを組めば(かなりの額になるけど)なんとかなりそう。

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